ブエノスアイレスに恋をした
In love with Buenos Aires
みなさんは今どんな音楽が好きですか?
私は10代の時にソウルミュージックに出会い狂ったように聴いていた時期があったのですが若い時に出逢うものは特別なのだと思っていました。けどそれは少し違ったのかもしれないと今は思います。というのも、私は今アルゼンチンの現代音楽にハマっていて当時の自分のように目をキラキラさせてその近郊の現代南米音楽を掘っています。 きっかけはパタゴニアに憧れてアルゼンチン行きを決めた時のこと。 首都ブエノスアイレスではライブに行こうと思いライブハウスやアーティストを調べていたら、コンテンポラリーフォルクローレと言われるジャンルがあることを知りました。
フォルクローレと聞いて私たちが思い浮かべるのはもっと土着的な民族音楽であり、日本でもたまに駅にいる集団で笛などの不思議な楽器を演奏してるおっさんたちのイメージだと思うのですが、アルゼンチンのコンテンポラリーフォルクローレはもっと洗練されていてジャズやロック、ブラジル、クラシック、エレクトロニカなどの要素を取り入れ新しい音楽を作り出していました。
コンテンポラリーアルゼンチンミュージックの中で最も代表格と言えるのがACA SECA TRIOというバンド。少ない編成で作り込まれたアンサンブル、美しいメロディとハッとする和音、複雑な拍子だけどとても自然で全く嫌味がないその透明感のあるサウンドは久しぶりに私を震えさせたのです。
フォルクローレの他にも色んな新しい音楽を作っているアルゼンチンのアーティスト。彼らは斬新で非常にセンスが良いし、音楽にルールなどないことを技術と発想で示しています。
ブエノスアイレスでは夜な夜なライブに足を運んだ音楽の旅。恐る恐るバーのドアを開けカーテンをめくったその先にはため息が出るぐらい美しい音楽が目の前に広がっていました。ブエノスアイレスはどこまで私を虜にするのだろう。そう思いました。
私はブエノスアイレスに恋をしたのです。
ソウルミュージックに出会った時と同じように南米音楽に胸をときめかせている今の私。何かに出会うことに遅いも早いもなくて、出会った時がその時なのだと思います。音楽のマーケットで聴けるワールドミュージックはごく一部でしかなく世界は面白い音楽で溢れています。
こんなに楽しい音楽の旅は死ぬまで続けていきたいと思うのです。
Nanami Tsuchiya
PROFILE
ツチヤ ナナミ
日本一髪の毛が長いシンガーソングライター・役者・トラベラー。 圧倒的な存在感とエモーショナルなライヴパフォーマンスで数々のバンドに在籍し、現在はソロに転向。オリジナリティー溢れる『ソウルフルなウタ』を軸に弾き語りやバンド編成まで様々なスタイルで国内外問わず世界中を旅しながら音楽活動をしている。近年では、役者や舞台音楽など演劇の世界でも才能を発揮。三谷幸喜の「東京サンシャインボーイズ」で演出補を務めた福島三郎主催の「丸福ボンバーズ」や近藤芳正主催の「バンダ・ラ・コンチャン」に出演し、表現者として果てしない可能性を見いだす。
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