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Song Review
STAY GOLD
Hi - STANDARD
Masayoshi Takahashi
May. 2017

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い春のあれこれ 

Stay Gold

ジャパニーズパンクバンドの金字塔といっても過言ではないだろうHi-STANDARD。彼らが2000年の活動休止前、最後にリリースしたアルバムが『MAKING THE ROAD』だ。
当時、横山健が率いるPIZZA OF DEATH RECORDSよりリリースされたこのアルバム。インディーズだったにも関わらず、国内外で100万枚以上のセールスを記録した紛れもない名盤だろう。今となっては懐かしくも感じるアルバムだが、当時Hi-STANDARDが巻き起こした渦の中に身を置き、青春時代を過ごした人は少なくないだろうと思う。なぜなら、なにを隠そう自分もその渦の中にいた人物の一人であるからだ。
今でも語り継がれる名曲揃いのアルバムだが、中でも6曲目に収録された『STAY GOLD』は青春ソングの代表格としての呼び声も高い。 それは自分の場合においても当てはまることであり、この曲を聴くたびに思い出す時間や人が存在する。

18歳の頃、どうしようもない田舎の生活から抜け出すため、なんのあてもなく東京に出てきた。仕事もなくお金もなく、これといった夢もなく、、、そんな右も左も分からない自分を、役者としての道に進ませてくれたのがKという人物だった。
スカウトはしない芸能事務所だったにも関わらず、自分のために事務所へ何度も頭を下げてくれた。今思い返しても、きっと簡単なことではなかっただろうと思う。下積み時代はもちろん、デビューしてからも腐らずにいれたのは、いつも叱咤激励してくれた彼のおかげだ。そして人間関係や信頼関係など、厳しい芸能界を生き抜いていく術を教えてくれたのも彼だった。時には怖い父親のように、またある時には優しい友人のように接してくれたK氏。苦楽を共にしてきた彼が、自分にいつも言ってくれていた言葉がある。

『君は輝いている、輝き続けろ』
当時は照れくさくて仕方がなかったが、今となっては事あるごとに思い出す言葉だ。
夢への道をただがむしゃらに突っ走っていたあの頃の自分。今となっては信頼できる部下や後輩も持ち、彼らのために道を作っていく立場にある。当時『MAKING THE ROAD』というアルバムタイトルをつけたHi-STANDARDのメンバー達も、もしかしたらこんな心境だったのかもしれない。もう役者の道からは退いたが、今でもこの曲を聴くとあの頃の時間とK氏が昨日の事のように眼に浮かぶ。

CLASSIC INC.
Manager : Masayoshi Takahashi

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