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Song Review
Human Nature
Michael Jackson
HYADAIN
December. 2017

ph

が歌う人間性 

He sings "human nature"

ども。ヒャダインです。皆さんMichael Jacksonの名曲「Human Nature」もちろんご存知だと思います。全世界で約1億枚売り上げたと言われている名盤「Thriller」収録曲です。作・編曲はTOTOのスティーブ・ポーカロ。演奏もTOTOのメンバーが参加しているということで嗚呼おしゃれ。イントロの印象的なリフはイントロドンだったら0.01秒で自信がありますよね。歌詞も極めて都会的で切なくて僕にとって都会の具現化、象徴みたいな楽曲がこの「Human Nature」です。

初めて出会ったのは親父の車の中のカセットテープ。オフィシャルのカセットテープをかけながらドライブしてたんですよ。8歳くらいだったかなー。英語は全くわからないけど、曲順的にもちょっとはしゃぎ疲れてチルな状態の小学生に心地よくて、一丁前に切なくたそがれてみたり。幼少期にこのアルバムに出会えたのは今の音楽人生に影響あるんだろうなあ、と思っています。まあ全く真逆のドタバタJ-POPを作ってる僕ですけどね。

あまりにこの楽曲が好きすぎで、数多のアーティストの同曲カバーも聴き漁っている毎日なのですが、やはり語らないわけにはいかないマイルス・デイヴィスによるカバー。Thriller発売の2年後に早速やる機動力ね。そして晩年までセトリに必ず入れていたという偏愛ぶり。わかるわー。マイルス、わかるよー。決して派手ではないのに仕掛けが多く美しいこの曲。マイルスが丁寧にトランペットで奏でるんですよ。バーで聴きたいですよね。

その後の印象的なのは女性R&BグループSWVによる「Right Here」。93年の大ヒット曲ですが、カバーではなくサンプリング。いや、もはやマッシュアップですよね。イントロのリフとマイケルの声をまんま使ってそこに新しいメロディをつけているのですが、これがまたいい。90年代前半のはねたリズムに不思議と合うんですよね。原曲へのリスペクトもとても感じられて僕も大好きです。MVはなぜかSWVの3人が馬に乗って海岸を歩いて釣りをするという謎っぷりですが。

その後もたくさんのアーティストにカバーされています。好きなものをピックアップしますね。まずピアニスト David Benoitのピアノカバー。デビッド・ベノワ。好きなんですよ。ジャズというかフュージョンですよね。端的に表現するなら歯医者のBGM。いや、天気予報のBGMか。もちろん褒め言葉ですよ!流麗で小難しくなくていい。もちろんダサい、という人もいるかもしれないけど、ベノワはそれがいいんだよ!

次。David Meadのカバー。またDavid。。ナッシュビルのシンガーソングライターなんですけどアコギの音色がとろけます。都会的な楽曲が一転、田舎道に合うカバーになってます。声も朴訥セクシーです。このカバーは100万回聴いたかもしれない。他の曲も素晴らしくて夕方のドライブにはピッタリです。引き出しはそんなに多くないアーティストなので全曲似てきちゃうところがもったいないのですが、田舎道をドライブするときには欠かせません。

次!アメリカのTVシリーズGleeのカバー。もうね。Gleeのカバーにはハズレ無し。歌っているのは若くて才能にあふれる役者さんたちなんだけど、男女の混声カバーでトラックは基本はアコギとパーカッションというシンプル構成。そう。演者のマンパワーがちゃんとしてたら飾り立てる必要ないんですよね。メロディの良さも光りますし。若さならではなのか歌の崩し方が少しだけ気になるところですが、若さは全てを凌駕する。いいと思います。

日本人も全然負けてないです。大橋トリオさんの2010年カバー。こちらも基本エレピを主軸に置いたシンプル構成。けど一つ一つの楽器がグルーヴを出していて非常に心地よいです。声質もスモーキーな中に色気があって大人だなー、と思います。他のカバーと違ってイントロのマイケルの印象的なフレーズを歌わずラインを変えているのですが、それが少し民族的というかアフリカっぽいというか。改変は苦手な僕ですがこれはありだなーなんて思います。

このくらいにしておきましょうか。書いても書いても書ききれない「Human Nature」の魅力。2018年でマイケルが亡くなって9年経つんですってね。長いようで短いようで。プリンスもジョージ・マイケルもデヴィッド・ボウイもこの世界にはいないんですね。しかしこうやって音楽はカバーされてアップデートされ続けていくわけで。「Human Nature」を聴く度にマイケルに、産まれてきてくれてありがとう、頑張って生きてくれてありがとう、と思う次第です。

Music Creator :
HYADAIN

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