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Album Review
Thelonious Monk Trio
Thelonious Monk
Kei Kobayashi
November. 2017

ph

10 端者の音色 

Tentor of heretic

最近DOMMUNE (※)から、BlueNoteTokyo ジョンビーズリー・モンケストラ公演記念!セロニアス・モンク生誕100年SPでのDJ依頼があり、彼に関連するCDを聴く機会が沢山あった。おまけにその 日のジョンビーズリーへのインタビューを勤める音楽評論家の原雅明さんに「モンクについて15分くらい一緒に喋っていただけますか?」という依頼を受ける。そのおかげでセロニアス・モンクについての文章を色々と読む機会にも恵まれた。
自分が初めてセロニアス・モンクのアルバムを聴いたのは『ブリリアントコーナーズ』である。中学生の時、学校をサボってよく通っていたジャズ喫茶の壁にかかっていたジャケットが印象的であった。しかし当時と現在では、セロニアス・モンクに対する印象は全然違う。

DOMMUNE当日、原さんから「セロニアスモンクに対してどんな印象を持っているか」という質問を受け、「自他共に認めるジャズジャイアンツでありながら、その実本当は異端者である」といった回答をした。気の利いた人間なら誰でも言えるような凡庸な答えだが、中学生の時のモンクに対する印象は“ジャズジャイアンツ”そのものであり、逆に今は彼に対して異端者的なイメージを強く持っている。

現在の自分はアヴァンギャルドなジャズや実験的な音楽ばかり聴いているが、そういう耳でモンクを聴くと彼の中にある異端者的な部分が自分の中でどんどん増幅されてくるのである。そしてそれを一番感じるアルバムがこの『セロニアスモンクトリオ』なのである。最も彼らしく、なおかつジャズ初心者の入門レコードとしても最適などとよく言われているアルバムだが、現在の自分にはプレイスタイルやハーモナイズ、音色などどれを取っても全くそうは聴こえないのである。

Kei Kobayashi

※DOMMUNE(ドミューン)とは、アーティストの宇川直宏が2010年3月1日にDIYで開局した、日本初のライブストリーミングスタジオ兼チャンネル。


PROFILE 

林 径 Kei Kobayashi

クラブ黎明期から東京で活躍するDJの一人。90年代は初期レアグルーヴのオリジネーターとして活躍。また、アルバ『routine』がドイツ99recordより世界発売、世界中で高い評価を受ける。2000年代に入るとコンピレーション『Routine Jazz』シリーズが記録的なセールス。Giles PeatersonのWORLDWIDEで特集も組まれるなど、高い評価を受ける。
さらに近年は大幅にイメージチェンジ。LEFT FIELDをキーワードに、実験性に富んだ表現スタイルを追求。去年リリースしたCD,「Whole lotta shakin go in on 」は「2016年のペットサウンズ」と評される程各方面から評判が高く、その新境地は早くも音楽マニアの間で絶賛されている。

 

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