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Album Review
A Lovely Way To spend An Evening
Ann Burton
Shinya Hosokawa
July. 2017

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06 を素敵に過ごす方法 

A Lovely Way To spend An Evening

就職活動時、飲食店のホールで働いてる自分の姿は全く想像していなかった。東京の音楽業界で働くのが夢だった当時の自分。しかしその夢も見事に叶わず、一度来店したことのある地元のイタリア料理店に就職した。“自立しなくてはならない。とりあえず働こう”そんな根拠のない自信があったのを今でも覚えている。

『面接ででかい事言ってた割に、何もできないじゃないか!』
オーナーから早速浴びせられた厳しい言葉。当然、根拠のない自信が通用するはずもなく無力な日々がしばらく続いた。
皿は4枚持てて当たり前。できたてのパスタが盛られた皿は熱くて重くて何度も落としそうになる。
“シェフは当然のように怖いし、もう心折れそう、、、”当時はそんな事ばかりが頭に浮かんでいた。(これを見ていたらすいません。笑)
負けず嫌いな性格が功を奏したのか、とにかく必死で働いていた。そしてふとした瞬間、レストランの仕事に楽しさが芽生えていることに気づく。右も左も分からなかった世界は、いつのまにか刺激と豊かさに満ち溢れていた。

ディナーでよく流れていた『A Lovely Way To spend An Evening』
CLASSICな造りの店内、大人が食事を嗜む空気感や仕草、料理の香り、グラスやカトラリーが重なり、ワインがグラスへと注がれる音。
オーナーと常連客の笑い声、暖かく素朴なピアノの音色。 そしてしっとりと、時には軽快なAnn Burtonの歌声。 ライブ音源の臨場感と店の雰囲気の調和に心が弾む。
それまでの自分の人生とあまりにもかけ離れていた世界に自然に導かれて、この場所にいる心地良さを感じた。

あれから、15年。
“とりあえず働こう”と始めたこの仕事を現在も続けている。
移り変わりが早い東京という街で、自分の原点を顧みる夏の夜。

CLASSIC INC.
Senior Manager / Sommelier : Shinya Hosokawa

 

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